タケシ(31歳)「大丈夫だって!お前なら」
サトシ「お前はいーよな。俺の知らねーところで、ポケモン関係の資格取りまくってたし、それに
中学校出てんじゃん」
タケシ「そ、それは、ほら、アレだよ、アレ」
サトシ「別に無理に励まそうとしなくて良いよ」
↓
/ヽ. ,′
/ l/
/ /
,し’ ´ ̄ ̄ >-――‐- 、
/ / \
j、_ ` T ――一 ‘´
/} _。 、__ l
r―‐ヽ、 }` ァ r‐ 、 /_ ,ヘ
| \¨´ 、__ノ └ 〉
| / | ´ /
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| |
\ ___ .ノ
r’´ _} {_ `ヽ
 ̄  ̄´
サトシ「アイツ、一年くらいはマジでポケモンマスター目指してたらしいけど、途中から
諦めたらしくてさ、普通に学校もどってたよ」
タケシ「そ、そうか」
サトシ「その上、何かいろいろ順調に行ったらしくて、国立の一番良い大学に受かって、今
オーキド博士の助手やってるらしいし」
タケシ「……」
サトシ「あいつから、『勉強頑張ってるぞ!』って絵葉書が来るたびに、「負けてらんねぇ
ポケモンマスターに俺はなる!」とか思ってたけど、何つーのか、俺ってアホだよなぁと」
サトシ「普通に考えてさ、普通に勉強して大学行って、それからポケモンマスター
目指しても良かったんじゃねぇかって思うんだ」
タケシ「ま、まぁ確かに」
ピカチュウ「はい、わかりました!」
タケシ「それは、アレだろ。サトシの意思を尊重してさ、そういうのだったんじゃないのか」
サトシ「尊重(笑) 親なら止めろよ。ガキの人生狂わせて楽しいかよ」
タケシ「そう卑屈になるなよ……」
サトシ「いーやなるね」
タケシ「でもサトシ、ポケモンマスターにはなれただろ? 何が不満なんだ」
サトシ「ポケモンマスターになってもらえたのは称号だけ、金も何も貰えなかった」
サトシ「最初は考えたよ。ポケモンマスターになれば、ジムとかから引っ張りだこなんじゃ
ないのかって」
サトシ「でも、違うんだよ。ジムに勤めるにもさ、資格必要なんだよ。学校の先生と同じで」
チャンピオンになれなくてもかなり有名になれないか?
やろうと思えば誰でも出来る仕事です
サトシ「やめろやめろそーいう精神論は。普通に考えろ」
サトシ「小学校中退だぞ? 割り算すら怪しい俺が今から勉強とか」
タケシ「……だからダメなんだよサトシ。お前、変わっちまったよ」
サトシ「は?」
タケシ「昔のお前なら、もっと『そうだな!おう!』とか言ったと思うぜ」
サトシ「ガキだっただけだろ」
タケシ「……お前とは、もうあんまり会うこともないだろう」
サトシ「そーか。頑張れよ、タケシ。俺を出し抜いて得た資格でな」
10歳からだろ
でも中退とは違うだろうな
その歳で旅に出るのが当たり前な世の中だし
サトシ「チッ、うっぜーのがきた」
コジロウ「何か言った?」
サトシ「別にぃ。それより、そのベンツどーしたんだ」
コジロウ「パパンに無理言って買って貰ったんだ」
サトシ「けっ、金持ちのボンボンはこれだから」ボソッ
コジロウ「何だ乗りたいのか?」
サトシ「はっ、お前の隣なんて死んでも乗らねーよ」
コジロウ「まぁまぁそう言うなって、ピカピカの新車だぞー」
サトシ「……しゃあねぇな」
サトシ「そういやさ、お前今何してんの。ロケット団は?」
コジロウ「ロケット団? あぁ辞めた辞めた」
サトシ「何で」
コジロウ「いやー歳も歳だし、ぜんぜん上役になれねーし、それよりもパパンのスネかじる
方が楽だって気づいたんだ」
コジロウ「確かに最初は、そういうスネかじるのとか、家柄が嫌いだったけど、今は
甘えても良いかなと思えてる」
サトシ「何だよニートかよ」
コジロウ「ははっ、まぁそう言うな。そういやサトシ、お前は何してんだ?」
コジロウ「何だよニートか」
サトシ「けっ、俺ぁ働く意欲はあんぜ。ニートじゃねぇ」
コジロウ「へー。つーかお前ならポケモン関係の仕事なら何でもつけんじゃね?
一応元ポケモンマスターだろ?」
サトシ「けっ、これだから世間知らずのボンボンは。良いか、耳の穴かっぽじって良く聞け、
ポケモン関係はな、資格が必要なんだよ。資格、これないと逮捕だから」
コジロウ「へ?そーなの?」
サトシ「まったく。そーいやもう一人の赤い髪のヤツはどうしたんだ」
コジロウ「あ、あぁムサシか。ムサシは確かロケット団のかなりの上役になってるぞ」
ロケット団入ったのもいろいろやった後だから遅そうだし
コジロウ「ま、何だか常日頃努力してたみたいだし、そういうのの結果なんじゃねぇかな」
サトシ「努力なんてピカチュウにでも食わせてろってなもんだよ」
コジロウ「ハハハハハッ、何だそれ」
サトシ「ったく」
ピロロロロロ
コジロウ「ん?電話?」
コジロウ「はい、はい」
コジロウ「すまねぇサトシ、急用入っちまった。すまんなここで降りてくれ。じゃ、またな」
サトシ「ん? ハナダシティ? あーそうかカスミのいる所か、懐かしいな」
サトシ「そういやカスミ今どうなってんだろ。ジムでもよってみるか」
カランコロン
ようじょ「お、おいたんだれでしゅか」
サトシ「何だこのクソガキ」
カスミ「もーどうしたのよ一体」
ようじょ「おきゃくさんだよ、おかーたん」
サトシ(おかー、たん?)
見ませんでした?」
サトシ「あっ、いや、見たけど。てか、俺サトシだけど」
カスミ「えっ、サト、サト、シ? ほ、ホントに?」
サトシ「あ、あぁ。つか、お前は子供いたんだ。相手誰」
カスミ「えーと、ほら、タケシ」
サトシ「タケシだと!?」
カスミ「の、弟のジロウ、なんだけど」
サトシ「は?アイツに弟なんていたのか?」
サトシ「ふーん」
カスミ「でさージロウってば、かなり良い男なんだよー」
サトシ「へーん」
カスミ「お互いジムリーダーだし、色々と悩みを聞いてもらったりしてるうちにさ」
サトシ(あーあうぜぇ。のろけ話とか聞きたくもねぇ)
サトシ「じゃあな」
カスミ「あっ、もう帰っちゃうの? 積もる話とか」
サトシ「ねぇよ」
ようじょ「このおいたん、こわいよ」ボソッ
ようじょ「だってぇ」
ガランゴロン
ようじょ「……ほっ」
カスミ「相変わらず、忙しい男ね」
サトシ「ったく、ジロウとかタロウだかしんねぇけど、人の女に手出してんじゃねぇよ」
サトシ「……まぁ俺のものにした覚えもねぇけどさ」
サトシ「こっから近い知り合いん所っつったら、どこだ、あぁそうかマサキんとこだ」
ドンドンドン
サトシ「チッ、いねーのかよ。使えねーオタク」
サトシ「しゃあねぇ、次行くか。次はーっと、マチスん所だな」
サトシ「マーチスちゃん、あーそーぼ」
マチス「ヘイ、ベリーサトシ! 残念NONO、俺は今からアメリケン、カムバック
しなきゃなんねぇ」
サトシ「フーン、つーか何か微妙に日本語うまくなってんな」
マチス「お褒めプレゼントテンキュー」
サトシ「あぁ、またな」
サトシ「行っちまった……」
サトシ「次どーっすかなーそーだ、エリカん所行こう」
サトシ「エリカとか多分まだ処女で俺に惚れたまんまだろうから、上手い具合にヒモになろう」
サトシ「っしゃあああ気合いれっぞ」
サトシ「んんんん? ジムが、ねぇ」
サトシ「確かにここにあったと思ったんだが」
サトシ「ねぇ、花屋になってる」
サトシ(まさかジム潰れたか?)
エリカ(30歳)「はいはーい何か御用ですかー」
サトシ「あ、はい、って、エリカ?」
エリカ「えっ、って、サトシ?」
サトシ「あ、あぁ久しぶり」
働く意欲ねえじゃねえかwww
サトシ「あーそんで、何これ、ジム、辞めちゃった?」
エリカ「うん、まぁね。前から花屋やりたくて、あんまり闘いとか好きじゃなかったし」
エリカ「それでね、良いでしょーこのお花たち」
サトシ「あ、えぇまぁな」
エリカ「このグラジオラスとか、お買い得だよー」
サトシ「そうなんだ。じゃあ一つ貰おうかな」
エリカ「はいはいお買い上げーって言いたい所だけど、今日はサービスにしといてあげる」
サトシ「お、おぉサンキュー」
サトシ(何だか性格変わったなー)
エリカ「え?」
サトシ「いや、何でもねーよ」
エリカ(今、綺麗って? お花の事、だよね?)
エリカ「ね、お花、綺麗でしょ」
サトシ「そうだな。俺は、アサガオとか好きだな」
エリカ「アサ、ガオ?」
エリカ(花言葉は、『私はあなたに結びつく』。いや、サトシってそんなの詳しくなさそーだし
たまたまだよね)
サトシ「あぁ。そういやさ、花言葉って、ロマンがあるよな」
エリカ「えっ、えぇ」
エリカ「そう?」
サトシ「あぁ、今の性格なら、モテモテだろ」
エリカ「いや、全然、全然。男の人、苦手だし」
サトシ「へー。でも、もう結婚とかしてるんじゃないのか?」
エリカ「あー、そうだよね。この歳なら、普通してるよね……」
サトシ「いや、落ち込むことねーよ。エリカ、お前可愛いから、絶対良い男と一緒になれるさ」
エリカ「か、可愛いって、もう30だし」
サトシ「いや、可愛いと思うぜ、俺は」
サトシ(しかし顔なじみでよかった。エリカ、初対面の男には心のバリア全開だからな)
エリカ(えーちょっとちょっと、これどーいうことー!)
エリカ(朝の占いで確かに、運命の再開がって言ってたけど、占いなんて当たった試しないし)
エリカ(でも、確かに再開した。サトシと)
サトシ(ここらへで引いとくか)
サトシ「じゃあな。彼氏と仲良く、な」
エリカ「ちょっ、ちょっと、彼氏とかいないって」
サトシ「別に、嘘なんてつかなくて良いんだぜ」
エリカ「いや、ホント、て言うか、今まで出来た事ないし」
サトシ(処女確定)
女ジムリ全員に当たっていって最終的にキクコと結ばれるの期待
エリカ「全然大丈夫だから、お茶でも飲んで行って」
サトシ「そ、そっかぁ?」
エリカ「うん」
サトシ「じゃ、ちょっとだけお邪魔しようかな」
エリカ「どうぞどうぞ。それで、今日は何でまたうちに?」
サトシ(やっべ、全然理由考えてなかった。えーとえーと、あっ、そうだ)
サトシ「エリカにさ、実は、お願いがあって」
エリカ「えっ?」
エリカ(な、何、改まって)
エリカ「えぇ」
サトシ「俺さ、ジムリーダーになりたいんだけど、勉強とか方法とか全然分からなくて
どうすれば良いのか、教えて欲しいんだ」
エリカ「え、えぇー、どうすればっても、私もお母さんとかから言われるがままに引き継いだ
結果というか、勉強なら、教えられるかなぁとも思うけど、もうかなり前の事だし」
サトシ「無理なことは分かってる! でも、エリカにしか頼めないんだ」
サトシ(自分でももう何言ってるか全然分からねぇ)
エリカ(わ、私しか頼れない!?)
エリカ「わ、分かったわ!」
サトシ「えっ」
流石俺の読め
そしたらフウランとかアイリスは結構すごいんじゃ・・・・?
エリカ「こここ、ここに、ととと、泊まれば」
サトシ「え、良いの?」
エリカ「きき、緊急事態ですもの」
サトシ(一時はどうなる事かと思ったけど、何とかヒモになれそうだぜ)
エリカ「今日はもう閉店するね。あ、後ちょっと出かけてくるから」タタタタッ
サトシ「お、おう」
サトシ(コンドームでも買いに行ったか?)
このサトシには親近感を覚えると同時に絶望も感じる
サトシ「あ、あぁ」
エリカ「試験は二ヵ月後、勉強量も昔よりも多い見たいだし、しっかり勉強しないと落ちるわよ!」
サトシ「お、おー」
サトシ(まさか参考書を買ってくるとは思わなかった)
エリカ(こうやって、親密度を上げて、ゆくゆくは結婚……なんて、キャーキャー)
エリカ(し、しかも年下の旦那さまとか、これもうヤバすぎる!)
サトシ(俺勉強苦手なんだよなぁ)
早いだろwww
エリカ「分かる?」
サトシ「いや全然。エリカは?」
エリカ「え、いや、だってジムリーダーとか何年も前に辞めたし、今新種のポケモンもどんどん
出てるらしいから、全然分からない」
サトシ「俺もさっぱりだ……」
エリカ「せ、正解見てみましょ」
サトシ「おう。で、何匹だった?」
エリカ「……646だって」
サトシ「多っ」
/ l / ̄ ̄\ l \
/ | l_/二ヽ_l | \
| l ( ) l |
│ \  ̄ / |
, イ,二`)´  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ヽノ
/ , <ヽ,、_________ノ ̄>
/ ,へ_ノ<_// n、X,ィ ノアnく | \
l ヒソ ハn| | ト1l | ,/´l ト1│h、 \
| ノ トl| l__U_j レ l_U__l |l’j ∠´
〈____,ノ `>ヽl N 〈! N レ’ /
〈 ,ノ∠___〉、 ー─‐’ へ _/
. /` ̄7 , < 丶、 ,/ 、ー`
. / ム-< ヽ. \ ` ー ,<、 ̄l ̄
/ l ヽ \ \ \ヽ,ハ / ヘ、
. / l、 ヽ l\ ヽ // , へ 、
l l l | l i ヽ__V,/_, へ ト、
〉 ノ | | | l 0 ト 、 ヽ. l〈
ヽ____/ / / /  ̄ ̄ ̄ l l | |
\∠__/ / / l. | | |
/ ハ / / l. | |│
/ / ∨`V レ’__」│
サトシ「……ジ!ロ!ウ! だろ」
エリカ「えーと答え答え、せ、せーかい。良く分かったね」
サトシ「……まぁな」
エリカ「じゃあ次は……」
次の日
サトシ「結局ずっと勉強だった」
エリカ「ふぁ~あ。さぁ勉強始めましょう」
サトシ「じ、自分でするからさ、エリカは店の方やれよ」
エリカ「え、全然だいじょーぶ」
エリカルートに走ってる訳だが…
エリカ「ジムリーダーの時に稼いだ蓄えがあるし」
サトシ「ち、ちなみにどれぐらい貯めましたか」
エリカ「今残ってるのは五千万くらいかな」
サトシ(ジ、ジムリーダーって儲かるのか)
エリカ「ジムリーダーって国営だし、結構お給金良いんだよ」
サトシ「そんななのに、辞めちゃっても良かったのかよ」
エリカ「……うん。ポケモン戦わせるの、嫌だし」
サトシ「……」
サトシ「あっ、いや、じゃあ、勉強しようぜ」
サトシ(二ヶ月の我慢だ。どうせクソみたいな人生だ。少しくらい、真面目になっても
バチは当たらんだろ)
タケシ「しっかし、それにしてもサトシの野郎、いつの間にあんなにクソ野郎に
なっちまったんだ」
タケシ「確かに、俺はあいつにくっ付いて、経験を積みながらちゃっかり資格の勉強も
してた、だけどさ、それって人生の保険だろ?誰だってやる。俺は何も悪くない」
タケシ「純粋すぎるお前が悪いんだよサトシ」
タケシ「……エリカのヤツ、30になってもかなり綺麗なままだ」
タケシ「くっそ、何でサトシの野郎を追い出さなかったんだ?」
タケシ「無職ヒキニートのサトシよりも、俺の方が色々と捗るだろ」
タケシ「俺を選べよ、エリカ」
エリカ「」ビクゥ
サトシ「どうかしたかエリカ」
エリカ「え、何か今背筋が」
サトシ「何だ風邪か?気をつけろよ」
俺もサトシだから
エリカ「今日は何作ろうかなー、サトシ頑張ってるし、ハンバーグにでもしようかな」
サササッ ササッ
タケシ「エリカ、何を買っている? ひき肉、パン粉、ハンバーグか」
タケシ「一人で食べきれる量ではない。確実にサトシの分だな」
タケシ「それに、エリカは基本肉は食わないと記憶している。と言うことは、サトシの
ためだけの料理か」
タケシ「クソッ、サトシなんてどうせヒモになろうかとそういう考えでエリカに
近づいたに違いないのに、それに気づかないなんて、どれだけお人よしなんだエリカ!」
タケシ「俺が、必ず、必ず、助け出してやるからな」
ガサゴソ ガサガサ
タケシ「エリカの家から出るゴミに、コンドームは無い。どうやら、サトシとはまだしてない
らしいな」
タケシ「ふふふ、さすがエリカ。貞操観念だけはしっかりしている様だ」
ようじょ「ままーあれなーに」
まま「しっ、見ちゃ行けません!」
タケシ「おっと、あうやく不審者にされる所だぜ」ササッ
通行人A(あ、怪しい男……)
本物のタケシに罪はないのに
サトシ「あ、あぁ、俺も驚いてる所だ。まだ勉強を始めて一週間だというのに、もう
30点も取れる様になった」
エリカ「最初なんて5点だったものね」
サトシ「目覚しい進歩だ。そういや合格点数って何点なんだ?」
エリカ「えーとね、……き、90点だって」
サトシ「」
エリカ「だ、大丈夫! このペースなら、あと二週間頑張れば合格ラインだよ!」
サトシ「……そーいう捉え方もあるな。確かに」
エリカ「だからガンバロー!」
そういえばピカチュウは?
サトシ「まぁな。何か妙にむずむずして。つーか今度からゴミだし俺行くわ」
エリカ「ありがと。てか、春でもないのに花粉症?」
サトシ「いや、花粉症にかかったことは生まれてから一度も無い」
エリカ「わっ、凄い」
サトシ「そーか?」
タケシ「はぁはぁ、このティッシュの山、きっとエリカがオ〇ニーした後なんだろう」
タケシ「はぁはぁ」シュッシュッ
エリカ「何ですか?」
ご近所のBBA「最近ね、ここらへんで不審者が出るって話あんのよ!」
エリカ「えー! ホントですか?」
ご近所のBBA「ホント!あたしも見たんだから、ゴミ袋開けて、中のティッシュ持ってく
男!見たの! 確か、あのゴミ袋はエリカちゃんが出したものだったかねぇ」
エリカ(え、サトシのかんだティッシュを盗んだって事?)
エリカ「って話があったんだけど」
サトシ「マジかよ、俺のかんだテイッシュ盗むとかどんなアホだよ」
エリカ「ゲイ、とか?」
サトシ「なわけあるか。ま、大方エリカの使ったティッシュと勘違いしたって所だろな」
サトシ「エリカ可愛いから、盗みたくなるんじゃない」
エリカ「そ、そんな可愛いだなんて」
サトシ「まぁ事実は事実だし」
タケシ「くっそー安物の望遠鏡はダメだなー良く見えない」
タケシ「しっかし、何となく二人とも笑ってる?照れてる?感じに見えるな」
タケシ「これはやばいぞ。早めに離反工作しないと」
タケシ「しかしどうすれば」
カキカキ
タケシ「よし、これで良いだろ。投函っと」
エリカ「サトシーサトシ宛にお手紙届いてるよー」
サトシ「え? 嘘だろ、俺こっちに住んでるの誰にも言ってねぇぞ」
エリカ「でも届いたものは届いたし」
サトシ「誰からだ全く」ビリビリ
サトシ「わっ!!!!」
エリカ「えっ、ど、どーしたの!?」
エリカ「えっ、キャッ!!!」
サトシ「え、エリカから離れろ、さもないと、お、お前を殺して、エリカを、犯す」
サトシ「な、何だよこれ。何なんだよ」
エリカ「こ、怖いよ」ガクガクブルブル
サトシ「だ、大丈夫だ。な、何とかしてやる」ガシィ
タケシ「あー? 何でエリカの肩寄せてんだサトシのヤツ、そーいう事したら殺すって
脅してるだろ」
タケシ「まぁ実際殺す度胸も犯す度胸もないけど」
タケシ「買い物もゴミ捨ても全部サトシの野郎がやってやがる」
タケシが「エリカが全然外に出なくなった」
タケシ「やっぱ脅迫状のせいだよな」
タケシ「しゃあねぇな。謝罪状でも送るか」
カキカキ
タケシ「投函っと」
サトシ「また、俺宛にか。一体誰からなんだ。警察にでも行った方が良いのかも知れないな」
ビリビリ
外に出してあげてください』」
サトシ「なんだこれ」
エリカ「そ、そうやって、外におびきだして、や、やってしまうとか、そそそそ、そーいう
事なんでは」
サトシ「……その可能性高いな」
タケシ「ちっ、折角謝罪までしたのに全然出てこない」
タケシ「どーなってんだ」
タケシ「あ、何となく分かったぞ。サトシの野郎、『こうやっておびき出すのが
相手の狙いです!』とかカッコつけて言ってエリカを外に出さない気だなぁ」
タケシ「隙を狙って、ちょいとお宅にお邪魔しますよと」サササッ
タケシ「おっと、ここがエリカの部屋か。ご丁寧にドアプレートに名前書いてるのか」
サササッ
タケシ「おぉー女の子の部屋だ」
タケシ「さて、盗聴器盗聴器」ガチャリ
タケシ「望遠鏡からだけじゃ、どうなってるか全然分からないしな」
タケシ「これぐらい許されるさ」
サトシ「おうよ」
タケシ「何だ何だ、サトシの野郎ジムリーダー試験の勉強か」
タケシ「俺も当時必死こいて勉強したっけ、って、違う違う」
タケシ「さぁて、二人の心密度はどれくらいのもんだ」
エリカ「……」
サトシ「エリカ、どうした?」
エリカ「えっ、いや」
サトシ「脅迫状の件か?やっぱり」
サトシ「怖いよな、やっぱり」
タケシ「ばーかwちゃんと謝罪状まで出してるのに、怖いとかねーよ」
エリカ「うん」
サトシ「だよな……」
エリカ「あっ、で、でも大丈夫。サトシいるし」
サトシ「えっ?」
タケシ「えっ?」
サトシ「そりゃ、あんな脅迫状出されたらなぁ」
タケシ「怖いなら俺が添い寝してやるよ」
エリカ「だ、だから、今日、ね。サトシと、手、手、繋いで、寝たいなって」
サトシ「えっ……」
エリカ「だ、ダメ?」
タケシ「サトシ反対しろ。さもないと殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」
サトシ「いや、ダメじゃないけど、その、自制できるかどうか分からないし、ダメ、かなって」
エリカ「だ、大丈夫だよサトシなら」
サトシ(ど、どういう意味で大丈夫なんだろうか)
エリカ「ね、手、繋ぐだけ、それだけで、良いから、落ち着くから」
サトシ「あ、あぁ」
ギュ
サトシ(何かムラムラしてきたぞ……しかし、常日頃俺のために色々してくれるエリカに
なりゆきでそんな事するなんて。俺には出来ない)
ドンドンドンドン
「コロスゾオラァアアアア」
サトシ エリカ「」ビクゥウウウ
エリカ「な、何、怖い」
ギュウウウウウウ
サトシ「ちょ、手だけだって、抱きつくなって」
エリカ「だ、だって、怖い」
いろいろと…
エリカ「じ、じゃあ居なくなるまでこのまま、このままで」
サトシ「し、しょうがないな」
ドンドンドン
タケシ「はぁ、はぁ、このぐらいやれば、さすがにもう変な気起こさないだろサトシも」
エリカ「すやすや」
サトシ「あーあ寝ちゃった。起こすわけも行かないしな」
サトシ「ま、添い寝のままでいっか」
サトシ「やたら、手が俺の体をさわさわと、触っているんだが」
サトシ(やっべ、ちょっと勃起してきた)
サトシ(けど、離れるのも何かなぁ。またさっきのヤツ来た時に俺近くに居なかったら不安に
なるんだろうし)
サトシ「我慢我慢。ゴムもないしね」
エリカ「サトシぃ……」
サトシ「寝言で名前を言われると、何だか不思議な気分になるな」
タケシ「はぁはぁ、エリカ、イクぞっ!」ドピュ
タケシ「ふぅ、エリカの写真にぶっかけるのも、何だか飽きたな。やっぱ実物じゃないと」
エリカ「あ、あのまま寝ちゃったんだ……」
エリカ「……サトシ、ずっと一緒に居てくれてたんだ」
エリカ「優しいんだね、やっぱり。ふふふ」
エリカ「ありがとね」チュ
サトシ「zzzzzz」
俺も寝る
タケシ「いかんいかん、寝過ごした」
タケシ「……さて、どうやってエリカと俺を結ぶか、だな」
タケシ「っ!?そうだ、俺もエリカと顔なじみなんだから、堂々と会いに行けば良い」
タケシ「『アホの子のサトシよりもタケシさんの方がいぃ~』とかって抱きついてくるハズだ」
タケシ「っしゃ、行くぞ」
タケシ「やぁエリカさん、お久しぶりです。今日も水やりですか? お花は見ていると
心が洗われる。素敵だ」
エリカ(だ、誰?)
エリカ「ど、どなたですか?」
エリカ「タケ、シさんですか」
タケシ「はい」
エリカ(タケシさんって、誰? と言うか、今、『今日も』って)
タケシ「この秋名菊なんか、凄く綺麗だ」
エリカ「は、はい」
エリカ(秋名菊の花言葉は、『あせていく愛』だったよね、確か。この人失恋でもしたのかしら)
タケシ「時にエリカさん、お食事とかご一緒にどうですか? ヤマブキシティに良いレストランが
あるんですよ。タマムシからなら、すぐですし」
エリカ(サトシの勉強が)
タケシ「では、明日」
エリカ「いえ、明日もちょっと」
タケシ「ぐぬ、で、では、明後日」
エリカ「すいません明後日も」
タケシ「い、一週間後なら」
エリカ「……ごめんなさい」
タケシ「い、いつなら大丈夫なんですか?」
エリカ「え、いつならって」
エリカ(……遠まわしに嫌だって言ってるのに、全然気づいてない)
エリカ「い、今の所、ないかな」
タケシ「そんな!? ないんですか? 冗談でしょう」
エリカ「ほ、本当です」
タケシ(サトシの野郎か……くそ、エリカの心の隙間に入り込みやがって)
タケシ「そ、それでは仕方ない。また日を改めてお伺いします」タタタタッ
エリカ(もうこなくて良いです)
エリカ「うーん、何かタケシさんとか言う人」
サトシ「タケシ? 知ってるヤツ?」
エリカ「いや全然知らない人。目細い人だった」
サトシ(……まさか、あのタケシ、か? 何でエリカの所になんか)
サトシ「いや、同名の他人かもな」
エリカ「何かお食事がどうのとか、嫌だって言ったんだけど」
サトシ「本当に嫌だって言ったか? 遠まわしすぎて気づいてないんじゃないの」
エリカ「えぇーまさか」
サトシ「男ってアホだから、遠まわしだと、試されてるとか変な勘違いしたりするぞ」
華麗に寝過ごしたのはタケシになってるけどお前だろ
タケシ「ジロウの野郎もカスミと結婚しちゃうし、てか子供まで作るとか」
タケシ「俺なんかまだ童貞なのに」
タケシ「うっうっ」ボロボロ
タケシ「エリ、エリカだけは、エリカだけは手に入れる」ボロボロボロ
タケシ「そもそも、年齢的には俺とエリカが丁度良い感じだろ」
タケシ「サトシとか絶対エリカ捨てる」
タケシ「俺だけがエリカを幸せに出来る」
タケシ「俺だけなんだ」
いつのまにかタケシが俺らポジソンになってた
夢も希望もねえ
サトシ「あと一ヶ月しかないわけだが」
カキカキ
エリカ「えーとね、87点」
エリカ「すごい! あとちょっと! まだ一ヶ月あるし、追い込みでこれ何とかいけるかも!」
サトシ「……」
エリカ「どーかしたサトシ?」
サトシ「いや、昔思い出してさ、努力も、そう悪いもんじゃねぇなって」
資格があるだけ俺らよりマシ
サトシ「そうだな」
タケシ「もうやれるだけの事はやった」
タケシ「どうすればエリカの心を手にいれられるんだ」
タケシ「……まずは、俺を売り込む所からだな」
タケシ「毎日会いに行くか」
タケシ「おはようございます、エリカさん」
エリカ「え、あぁ、はい、おはようございます」
エリカ(ま、また来たこの人)
やっぱあんまりそこらへん強調されないのな
タケシ(そろそろ、あのお客さん素敵!となるハズだ)
タケシ「よし、今日も頑張って会いに行くぞ」
タケシ「ん?休み? 何で、今日は定休日じゃあ……って、あっ!!」
タケシ「今日はジムリーダーの試験日か……」
タケシ「忘れてた」
エリカ「どうだった?」
サトシ「んーまぁまぁかな、ただ、ケアレスミスがちょっと気になるかな」
エリカ「多分大丈夫、受かってるよ。サトシなら」
エリカ「うん」
タケシ「……はぁはぁ、追いついたぜ、試験は、もう終わっちまったか」
タケシ「クソっ、妨害しようと思ったのに」
タケシ「って、何だどこ行くんだあの二人」」
タケシ「ん? ファミレスに……何だ昼飯か」
タケシ「俺も同じところで食うか」
カランコロン
店員「しゃっせー」
タケシ「すいません、あそこの二人の死角になる席ってどこですか」
店員「し、死角ですか」
タケシ「ありがとよ店員さん」
店員「は、はぁ」
サトシ「しっかし、何かこう終わってみると、受かってるとか落ちてるとか関係なく清々しい気分になるな」
エリカ「達成感、ってヤツ?」
サトシ「そうそうそれ」
サトシ「ピカチュウと旅してたとき思い出すぜ」
エリカ「そういえば、私のジムに始めてきたの何年前だっけ?」
サトシ「16年くらい前かな多分」
エリカ「確か、サトシと、カスミちゃんと、ピカチュウだよね」
サトシ「良く覚えてんなー」
サトシ(確かタケシも居た気がするんだけど、まぁいっか)
タケシ(ん? 俺も居なかったっけ?)
エリカ(そういえばほかに、もう一人居た様な……まぁ別にいいかな)
サトシ「あー確かポケモンセンターに預けたまんまだ。もう10年くらい」
エリカ「じ、十年!?」
サトシ「うん、まぁでも、俺と危険な旅するよりも、ポケモンセンターで
美味いメシでも食ってる方がピカチュウのためかなとも思う」
エリカ「ピカチュウ、多分サトシの事待ってると思うよ」
サトシ「そうかな」
サトシ(ホントは面倒くさくて預けたまんまなんだけどね)
エリカ「そーだよ! ジムリーダーになったらポケモン必要なんだから、ちゃんと出してあげないと」
サトシ「でもピカチュウ俺の言うこと聞くかな。野生度が増してたりして」
エリカ「ドラクエモンスターズじゃないんだから」
サトシ「君と?」 ピカチュウ「チュウ」
サトシ「ウフフ」
ピカチュウ「I will give you all my love.」
サトシ「!?」
エリカ「そうだね」
ポケモンセンター
サトシ「すいまっせーん、10年もののピカチュウ引き取りに来たんですけど」
ジョーイ(42)「あら、サトシくん、お久しぶりねぇ」
サトシ「あ、ジョーイさん」
ジョーイ「ごめんねぇ、ピカチュウねぇ、ちょっと更年期障害出ちゃって、もう戦える体じゃないの」
サトシ「え」
ジョーイ「ポケモンはねぇ、人間よりも早く成長して老化しちゃうから」
何回見てもアカンwwwww
サトシ「それもそうだな。てかピカチュウ、もうそんな歳になってたのか」
サトシ「時間の流れって、残酷だな」
ジョーイ「ごめんねぇ、ピカチュウね、あと数年したら、介護施設に行く事になってるの」
ジョーイ「良かったら、たまにでも会いに来てあげて、多分喜ぶから」
サトシ「……はい」
ジョーイ「最初は、『ピッカピカチュウ!』とか元気だったの、でもね、今では『ピ、カ』としか
喋れないのよ」
ジョーイ「でもきっとサトシくんの事は覚えてるはずよ」
預けておけば介護行けんのか?
ポケポン界もそのうち年寄りだらけになるな
サトシ「それから、考えよう……」
タケシ「しっかし、ジョーイさんすっかりババアだなぁ。昔とは打って変わってだ」
タケシ「もう俺のストライクゾーンには入らないな」
サトシ「戻るか」
エリカ「うん」
サトシ「お、もう結果が張り出されてる」
エリカ「あっ! 受かってるよサトシ!」
サトシ「おおっ、マジだ!」
タケシ「え、あ、久しぶりです」
ジョーイ「そういえばさっきサトシくん来たわよ。今はもう一緒に、ってもう
子供じゃないものね。いつまでも一緒だなんて」
タケシ「は、はい」
ジョーイ「そういえば、昔はタケシくん私に必死にアプローチかけてくれたわよね」
タケシ「え、はぁ」
タケシ(そりゃ昔は美人だったからな)
ジョーイ「今ね、私独身なのよ」
タケシ「は、はぁ」
タケシ(いやーな予感が)
タケシ「え、いやいや、そんな、ジョーイさんにはもっと良い男が」
ジョーイ「いないわ」
タケシ「え」
ジョーイ「あんなにアプローチかけてくれたの、君だけだった」
ジョーイ(本音は、若い旦那欲しいってだけだけどね)
ジョーイ「もう君しかいないの」
タケシ「お、俺は、でも」
タケシ(は、早くなんとかしてエリカの所に行かないといけないのに)
ジョーイ「サトシくん、さっきエリカちゃんと仲良さそうだったわよ」
ジョーイ「人の恋路を邪魔する趣味はないわ」
ジョーイ(上手く逃げようったって、そうはいかないんだから)
タケシ(クソッ、クソッ、どうやって、どうやって逃げれば)
ジョーイ「タケシくん、あの時の、「一生好きです」ってアプローチ、嘘だったの?」
ジョーイ「そういう嘘付きだって、言って回ろうかしら」
タケシ「そ、それはっ!」
タケシ(エリカの耳に入ったらマズイ)
タケシを虐めないで…く…れ…
ジョーイ(考えてる! 今がチャンス、聞き取れるかどうかの声で)
ジョーイ「……こんして」
タケシ「はい?」
ジョーイ「え?良いの? 今「はい」って、わーありがとう」
タケシ「?」
ジョーイ「今結婚してって言ったら、はいっていったよね」
タケシ「っ!? え、いや、はいって、いやいや、それは違うはいで」
ジョーイ「はいに違うも何もないと思うけど」
エリカ「だって頑張ってたもんサトシ」
試験官「サトシ様でございますか」
サトシ「え? あっ、はい」
試験官「全国ポケモン協会の会長が、お呼びです」
サトシ「えっ、俺何かした」
試験官「私には顛末は理解しかねます。とにかく、上へどうぞ」
サトシ「あ、は、はい。ごめんエリカちょっと行って来る」
エリカ「うん、行ってらっしゃい」
会長「うむ、入りたまえ」
サトシ「あ、しゃっす。そ、それで、御用とは」
会長「いやいや、驚いたよ。初代ポケモンマスターがまさかジムリーダー試験を受けにくるなど」
サトシ「は、はぁ」
会長「何はともあれ、受かって良かったね、サトシくん」
サトシ(早く用件言えよジジイ)
会長「それで何だが、君ほどの経歴の持ち主をジムリーダーにしておくにはおしい」
サトシ「は、はぁ」
会長「どうだね、カントー地方のポケモンリーグの四天王をすると言うのは」
このSS、真の主人公はタケシか
ピカチュウ「チュウ」
サトシ「君と?」
ピカチュウ「チュウ」
サトシ「ウフフ」
ピカチュウ「I will give you all my love.」
サトシ「!?」
会長「うむ。丁度欠員が出ていてね、臨時のものを入れているが、まだ不安定でね」
会長「君ほどの経歴と力の持ち主ならば、誰も文句は言うまい」
サトシ「は、はぁ」
サトシ(何かえらい事になってる)
会長「ワタルくんの後任が、いなくてね」
サトシ「え、ワタルさんどうかしたんすか」
会長「……一昨年前にな、事故で、亡くなったのだ」
サトシ「は、はい」
ガチャバタン
エリカ「何だったの?」
サトシ「いや、何か四天王に誘われた」
エリカ「っ!? ホントに? 凄いじゃない」
サトシ「でもなー、あそこって周り山ばっかで」
エリカ「良いじゃないお花いっぱい育てられそう」
サトシ「そっかエリカ花好きだもんな」
これは何かが起こるのか•••
タケシ「毎日ジョーイさん俺の所に来んだもの、やってられないよ」
タケシ「俺の出したゴミとか漁ってないだろうな」
タケシ「はぁ」
ジョーイ「タケシくーん、おはよー」
タケシ「」ビクゥ
ジョーイ「おーはーよー」
タケシ「お、おはようございます」
タケシ(42歳のババアがおーはーよーとか軽くホラーだな)
サトシ「まずポケモン集めからかなー」
サトシ「とりあえず、半年くらいはまたポケモン漬けになるつもり。ある程度強くならないと
四天王になっても即解雇されそうだし」
エリカ「そっか」
サトシ「やっぱ俺にはピカチュウかなって思ってさ、トキワの森まで、ちょっと旅行も兼ねて
行こうかなと思ってる。一緒に行く?」
エリカ「行く!」
サトシ「じゃあ行くか!」
エリカ(何か新婚旅行みたい////)
サトシ「何だか新婚旅行みたいだな」
エリカ「い、いいの?」
サトシ「え?」
エリカ「だって私もう30だし」
サトシ「別に、全然気にしねーよ」
サトシ(最初はヒモになるつもりだったけど、何だか、エリカと一緒にいると
幸せにしてやりたくなってくる)
エリカ「ふ、ふつつかものですが、よろしくお願いします」
サトシ「こちらこそ」
タケシ「差出人は、」チラ
タケシ「やっぱりジョーイさんか……」
タケシ「おれ怖くてもう外に出れねぇよ」
タケシ「どうひよ」
タケシ「っ!? そうだ、ジロウに相談しよう」ピポパ
ジロウ「何だよ兄ちゃん」
タケシ「ジロウ、相談がある」
ジロウ「兄ちゃん」
タケシ「な、何だ」
ジロウ「回避する必要なくね」
タケシ「なななな、何で」
ジロウ「だって兄ちゃん童貞だし、昔から年上好きだったし」
タケシ「ば、バッカヤロウ! 年上が好きだったのは、俺が若かったからで、歳くった今に
なっちゃ一回りも上なんて考えらんねぇよ!」
ジロウ「俺子守もあるし、切るよ兄ちゃん」
タケシ「ま、待てジロウ!」
ガチャ ツーツー
タケシ「しかし、エリカの様子は気になる」
タケシ「今の時間、ジョーイさんは勤務中だな、よし、エリカの所に行くか」タタタタッ
タケシ「な、何だ休み? おっ、張り紙が……」
タケシ「何々、『新婚旅行につき、長期お休みします。開店は未定』」
タケシ「なにこれ」
タケシ「だれとしんこんりょこう、って、さとし しかいないよね」
タケシ「なにこれ」
タケシ「なんだこれ」
タケシ「じろう から だ」
ガチャ
ジロウ「兄ちゃん、何かさっき結婚式の招待状届いたぞ。サトシくんとエリカさん、結婚するん
だってな」
タケシ「そー、なん、だ」
ジロウ「どうした兄ちゃん、様子おかしいぞ? さっきいきなり切ったからか?ごめんごめん、でも
娘の世話もあるし」
タケシ「きに、すんな」
ジロウ「そ、そう? まぁとにかく体には気をつけてな」
タケシ「おっけー、ぼくじょう」
タケシのイワークをゼニガメの水鉄砲で処刑END
そういう悔やみが今の俺を支配している。
幾度となく、自慰の種にしてきた女、そいつの一番新しい写真には、ぶっかける気には
とてもならなかった。
今までで一番綺麗で、可愛くて、愛おしい、けれど、それらの原因を俺に作ることは出来ない。
エリカが、こうなったのは、横に居るこの男、サトシのお陰なのだから。
普段は着物しか着ないエリカが着たウェディングドレス姿は、神々しいと言っても良かった。
そして、見たこともない笑顔。
本当なら、俺に向けて欲しかった。
そのために、脅迫状まで出したこともあったっけ。
しかし、ダメだった。諦めたくはない。けれど、無理やりにでも「して」しまえば、エリカは
二度と笑わなくなるだろう。
……それは、俺の望むエリカではない。
けれど、ダメだった。
ジョーイさんの、しぼみきった体では、不敵に浮かぶ笑みでは、俺自身が
燃え上がる事はない。
お陰で、いまだ童貞というザマだ。
一度だけ、サトシとエリカの愛の巣に立ち寄ってみた事もあった。
そうしたら、仲良さそうに、舌まで入れるキスをしている二人が、ちらりと見えてしまった。
あのまま外でいたしてしまいそうなほどに、情熱的な二人だった。
思わず、俺の息子自身も、反応してしまった。
恥ずかしながら。
木の陰に隠れていた所為か、二人は俺に気づくことはなかった。
俺も、気づかせない様に、立ち去った。
ハルカ(26歳)「就職すれば良いかも」
タケシ「お前26にもなってまだ語尾が「かも」なのか」
ハルカ「た、たまたまだって」
タケシ「俺のたまたま欲しいか?」
ハルカ「し、下ネタは禁止かも」
タケシ「どこが下ネタだオルァアアアア!」
ハルカ「こ、怖いかも」
タケシ「すまねぇ、ちょっとイライラする出来事があってな」
ハルカ「サトシとエリカさんが結婚した件についてだね」
タケシ「ア?」ギロリ
ハルカ(ひっ)ビクゥ
タケシ「良いから、もう仕事に戻れ」
ハルカ「で、でもちょっと心配かも」
タケシ「心配されるほど落ちぶれちゃいねぇよ」
ハルカ「そ、そう?」
タケシ(ったく)
タケシ「じゃあ今の旦那と別れて俺と結婚しろよ」
ハルカ「それは無理かも」
タケシ「な?無理だろ、お前に俺を救うなんて無理なんだよ無理」
タケシ「リームー」
ハルカ「ふ、フリーの女の人なら、探せるかも」
ハルカ「ナツメさんとか、イブキさんとか」
タケシ「ナツメとかサイコパス気味だし、イブキってあれだろあの変な格好のヤツだろ」
ハルカ「お、女の子に失礼かもその発言」
最低限の保守に留めておくんだ
ハルカ「じゃあね!」
タケシ「おう」
タケシ「……何が花だ。何が草だ、全部、全部消してやる」
タケシ「もやし、つくしてやる」
タケシ「火火火火火火火火火」
ボウゥ
タケシ「燃えろぉぉおおおおおおおおおおお」
ナタネ「止めろ! 森を燃やすな!」
タケシ「だだだだ誰だぁあああああ」
タケシ「おおおおおう、ななななナタネかああああ」
ナタネ「どうしたんだタケシ!」
タケシ「ふひぃいいいいもう全部どーでもいいぃいいいい」
ナタネ(こ、こいつヤバイ。早くどうにかしないと)
タケシ「も、も~り~のガッコ~は~川の~中~」
ナタネ「ごめんよタケシ」
ガスッ
タケシ「うっ……」バタン
ナタネ「気がついた? びっくりしたよ。いきなり森に火つけるんだもん」
タケシ「俺は、何で」
ナタネ「一応消火しといたけど」
タケシ「お、俺は」
ナタネ「森を燃やすなんて、もう二度としないで」
タケシ「……すまない」
ナタネ「……とりあえず、しばらくここで休んでいきなよ。何かあったんでしょ?」
タケシ「これもそれも、ナタネのおかげだ」
タケシ「お礼しなければならない」
タケシ「ナタネ」
ナタネ「何」
タケシ「お前に感謝している。だから」
ナタネ「だから?」
タケシ「結婚しよう。俺なりに色々考えたんだが、それしか俺には出来ない」
ナタネ「は?」
タケシ「何だお前、もう結婚してるのか?」
ナタネ「い、いや別に」
>>746
年齢忘れたから当時10歳って事でいっかなって
女だよ
タケシ「頼む、結婚してくれ」
ナタネ「い、いやぁ、それは」
タケシ「大丈夫だ、俺が必ず幸せにしてやる」
ナタネ「そもそもタケシの事あんま知らないし」
タケシ「俺はお前の事を知っている!生理の周期から使ってるたんぽんの種類まで!」
ナタネ「え?」
タケシ「へ?」
ヤバイ予感が……)
ナタネ(それとも、そういうものなのかな?)
ナタネ(少なくとも一ヶ月は一緒にいたワケだし、何かの拍子で知ったとか?)
ナタネ(そういやタケシって、ポケモン好きの優しい男だったわけだし)
タケシ「あ、いや、スマン。失礼なことを」
ナタネ「あ、いや、別に気にしてないから。うん」
ナタネ「と、友達からなら」
タケシ「ほ、本当か!?」
思ってるんだ」
ナタネ「え?」
タケシ「絶望のふちにいた俺を、お前は救ってくれた」
タケシ「俺がそれにどれだけ救われた事か」
ナタネ「いや、そんな大層なことはしてな」
タケシ「した! 俺はあのまま放火魔になって、幾人幾匹もの人間とポケモンを
殺しまくっていたかも知れない」
タケシ「それを防ぎ、俺をここまで普通に戻したのは、間違いなくお前なんだ、ナタネ」
ナタネ「……」
タケシ「俺は、運命を感じている」
タケシ「その何と言うか、スマン。ただ、仕事は手伝わせてくれ」
タケシ「何だか、森が仕事場ってのも、良いもんだなと」
ナタネ「えっ、あ、良いけど」
タケシ「それに、一緒に居れば、少しは俺の方に振り向いてくれるかなとも思うしな」
ナタネ(タケシ……)
タケシ「おっと仕事仕事!」
ナタネ「意外と、良い男なのかな」
タケシ「俺たち、いよいよ夫婦なんだな」
ナタネ「う、うん」
ギシギシアンアン
めでたしめでたし
もうスレも残り少ないし終わらせました
次ssスレ立てるときは書き溜めか配分考えて書きます
引用元:
https://hayabusa.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1334578002/
管理人:Po( ੭•͈ω•͈)੭oh
私がこどもの頃からずっとサトシは旅を続けているんですね……